恒温恒湿の環境設備は、工場や大学などの試験室や検査室などで活用されています。もしも一定の温度や湿度を管理する必要があれば、冷暖房を使ったり外気を取り入れたりするだけでは環境を作れません。そんな環境を作れるのが恒温恒湿槽であり、様々な用途に使用されています。今回は、空調の意味や種類、恒温恒湿ブースの種類や用途について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
株式会社QMCでは、恒温・恒湿に特化したシステムの製造・販売を行っております。
【恒温 恒湿】知ってる!?空調の意味や種類について解説
空気を調和させる意味で使われるのが空調です。調和は、空気の温度や湿度、気流、さらに空気中の浮遊物密度を目的に応じた条件になるように処理し、対象となる空間をその条件で均一にします。言い換えれば、その空間にいる人物が目的とする条件の室内環境を作り出すわけです。
空気調和の種類
空気調和は、対象目的によって以下の2つにわけられます。
- 保健空気調和
- 産業空気調和
保健空気調和は、過ごす人の健康を維持したり人が快適に過ごすために行う空調です。家庭や事務所、ホテルなどの公共施設などで行われます。季節によって快適に感じる温度・湿度は異なりますが、一般的には夏場は温度25~28℃、湿度50~60%、冬場は温度18~22℃、湿度40~50%が快適な温度・湿度範囲と言われています。室内の温度をコントロールし、室外との温度差を極力少なくすることで、ヒートショックを予防することができます。
産業空気調和は、動物や植物の育成、そして物体の品質維持を目的に行う空調です。年間を通じて温度や湿度を一定に保つことから、工場やデータセンター、貯蔵庫などの空間の環境維持のためといった用途が少なくありません。
例えば、半導体製造において回路の腐食、マイクロチップ回路面への結露、装置の劣化を防ぐため湿度コントロールは欠かせません。また、電算機室は電子機器が発熱するため年間冷房が必須で、結露やショートを防ぐために湿度管理も必要です。
つまり、「保健空気調和」は人のための空気調和、「産業空気調和」は取り扱う製品のための空気調和だということです。
空調は室内の温度や湿度、清浄度などを一定に保ちます。そのために、1つの役割を担う装置のみならず、いくつかの役割の装置を組み合わせていて、冷暖房の熱源装置、熱を運ぶ運搬装置、加湿、空気清浄、加熱、加湿減湿を行う空調機などから構成されます。
空調システムの種類
空調システムは、全空気方式、空気水併用方式、全水方式、冷媒方式の4つに分類されます。
全空気方式
熱を空気で運ぶ方式です。外気と室内の空気を混合し、その空気を加熱または冷却し送風します。大空間の温度を一定にするのに適した方式のため、体育館など広い空間に向いています。装置は集中して一箇所に配置するのでメンテナンスしやすく、換気量を増やせます。設置する装置は大きく天井にダクトが必要になるため、広いスペースがないと設置できません。
空気水循環方式
水と空気を併用して熱を運ぶ方式です。室内温度を調節するのは熱交換機になります。水は空気よりも熱伝導率がよいため、全空気方式よりも装置を小さくすることが可能。しかし、室内に水を通すために設置した配管の破損による水害のリスクがあります。
全水方式
冷水または温水の水だけ使う方式です。空気を使わないため大がかりなダクトは必要ありませんが、外気の取り入れには、窓や熱交換機が必要です。
冷媒方式
冷媒を使って空気の温度を変える方式です。店舗や小さい事務所など小規模スペースに向いています。他の方式よりも高性能かつ低価格で省エネ性能に優れていますが、外気を取り入れるには熱交換機が必要です。
【恒温 恒湿】ブースの様々な種類や用途について解説
恒温恒湿ブースは構造によって種類が異なり、使用する目的によっても様々です。
恒温恒湿ブースの種類
恒温恒湿ブースは、主に構造が異なる以下の4つがあります。
箱形ブース
箱形ブースは、最もシンプルなブースです。前面をカーテンにしたり、部屋を2つに分離させたりできます。コストパフォーマンスに優れており、アレンジしやすいでしょう。恒温恒湿ブースとして使われることの多いタイプです。
スライドオープンブース
スライドオープンブースは、ブースの一部をスライドして開口できるタイプです。開口部分を最低限に抑えながらも、クレーン搬入などを行えます。
トップオープンブース
トップオープンブースは、天井部分が開口するタイプです。天井と前面のドアを開口すれば、水平搬入でき大型機械の搬入もできます。
フルオープンブース
フルオープンタイプは、ブースの側面3方向からの搬入を行えます。搬入経路を優先したブースですが、搬入のたびにブース環境は大きく変化します。
ブースの用途
恒温恒湿ブースは、工業用ブースと食品医療用ブースの2つにわけられます。工業用ブースは自動車や電子機器などの製造現場で使用され、食品医療用ブースは菓子類や調理食品などで使用されるのが一般的です。これらは、工場、大学研究室、研究施設の検査室、加工工場などで使われます。
- 測定器の精度保証
- 工作機械の精度向上
- 材料の保管環境整備
- 検査室や組み立て室の環境整備
- 食品の衛生環境を保つ
- 有害物質の除去
このような用途でブースは使用します。人が出入りすると体に付着した浮遊物をブース内に持ち込み、外気を取り込み温度や湿度を変えるおそれがあるので、ブースの使用用途によってブース内に入るときはクリーンウェアを装着します。くしゃみやせきが厳禁の場合も多く、使用ルールが設けられていることが少なくありません。
部屋の環境を一定に保つなら恒温恒湿ブースを活用!
恒温恒湿空調システムの導入なら株式会社QMCがサポート
食品工場では衛生環境を保ったり、検査室では検査精度を向上させたりと、一定の温度や湿度が求められることがあります。このような環境を作るなら、冷暖房のみでは実現できません。恒温恒湿ブースを使うことで室内の温度や湿度を一定に保ち、部屋の清浄度を保つのにも役に立ちます。また、大規模なブースを設置すると高額な費用がかかりますが、簡易式だと少ない費用で設置可能です。株式会社QMCでは、恒温恒湿ブースの設計から販売まで行っております。設置をご予定の方はぜひお気軽にご相談ください。
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創業 | 平成20年7月30日 |
代表者 | 野田 浩一朗 |
資本金 | 300万円 |
製品 | 高精度恒温空調パッケージ・各種環境測定サービス・専用設計など |
URL | https://www.qm-consulting.biz/ |