【恒温 恒湿】依頼前に知っておきたい!恒温恒湿槽や恒温恒湿器を解説

恒温恒湿槽は温度や湿度を一定に保つ!原理や仕組み、用途について

恒温恒湿槽は、製品の製造や検査など、一定の温度や湿度を保つために使用します。一定の温度や湿度は、エアコンなどの空調だけで実現するのは難しいでしょう。そういった環境を整備するためには恒温恒湿槽が役に立ちます。この記事では、恒温恒湿槽の仕組みや使用用途を見ていきましょう。恒温恒湿器の用途についてもご紹介します。

【恒温 恒湿】恒温恒湿槽とは?原理や仕組みについて解説

指を指すポーズ

恒温恒湿槽とは、温度と湿度が一定の環境を作る装置です。槽と名前がついているとおり、冷蔵庫よりも少し大きいサイズの装置であり、ブースほど大きくはありません。恒温恒湿器とも呼ばれます。「恒」はいつも同じで一定であるという意味があるので、温度も湿度も常に一定の環境を作り出す装置が、恒温恒湿槽です。

恒温恒湿槽の仕組み

槽内部を加湿と除湿、加温と冷却を行う湿度・温度を制御する部分と、温度・湿度の分布を一定にする部分、そしてコントロール機器で構成されます。

  • 槽内の温湿度センサーが温度と湿度を感知
  • センサーの信号を調節器に入力
  • 冷却器と加熱器で温度制御
  • 除湿機と加湿器で湿度制御

温度と湿度を作り出し、それをファンによって槽内に循環させます。槽内に配置されるセンサーは一箇所ではありません。例えば槽内の底面と天井面、右側面と左側面などと場所によって温度や湿度が違うと一定の環境にならないので、通常は上下左右と中央部分にいくつかのセンサーを設置します。

ただし、槽内で作り出した温度や湿度を送風するので、温度や湿度は槽の天井や底面で微妙に違うのです。そのために、槽内の各所を温湿度センサーで測るような使用者もいます。

給水タンクが必要

湿度を一定に保つために、装置には加湿器と除湿機が設置されています。加湿するには水が必要であり、天井や装置内に給水タンクが必要です。長い時間恒温恒湿槽を使うならば、定期的な給水と、除湿による排水も必要になります。排水はバケツなどを活用するか、配管にホースを繋ぐかの2通りです。

湿度や温度に影響を与えないためにも、風通しが良く直射日光の当たらない場所に設置して使用します。雑に扱うと給水タンクから水漏れするおそれがあるため、万が一に備えて下に何か敷いて、その上に設置した方が安全でしょう。

【恒温 恒湿】何に使われる?恒温恒湿器の使用用途

顕微鏡をみる男性

恒温恒湿槽は温度と湿度管理が必要な環境で使われます。温度や湿度を変化させるか一定に保ち、試験物がその環境で受ける影響を調べるために活用されているのです。例えば55度やマイナス25度、90度などの通常では発生しない環境を作り出すのにも使用されます。より大型の装置を使えば、一度に多くの試験物を試験可能です。

具体的には、工場、大学、産業研究室などで使います。電子機器、精密機械、食品、試薬、胃炎工学、光素材部品、輸送などの分野で活躍します。

  • 長期保存試験
  • 加速試験
  • 品質劣化試験
  • 品質試験
  • 部材の環境試験
  • 植物や微生物培養
  • 自動車部品の劣化試験

恒温水やオイル槽では、フラスコに試験材を入れて温度を一度に保ちながら試験します。半導体の乾燥や微生物培養、器具乾燥などでも使用し、湿度の低い環境でも使われます。そのため、恒温水槽、恒温乾燥機も恒温恒湿槽の一種です。恒温水槽は、液体を貯めておく槽であり、オイルや不凍液などを使用します。恒温乾燥機は、実験器具やシリカゲルを乾燥させるのに使用し、微生物学では滅菌のためにも使われているのです。

使用上の注意点

大型の恒温恒湿槽は重くサイズが大きいため、搬入ルートを考えなければなりません。まずは搬入ルートを確保して、サイズを確認しましょう。もしも2階以上に設置するとなれば、エレベーターを使用するか、クレーンを使って窓から搬入します。

給水タンクを設置するために、事務所や実験室に設置するならば、受け皿の上に設置した方がよいです。タンクから水漏れが起こっても、受け皿があれば床が水浸しになる心配がなく、室内の電子機器などに影響を与えません。しかし、故障時にはメンテナンスをするので、メンテナンススペースが必要です。設置してから動かせるぐらいのスペースがあると、メンテナンスしやすいでしょう。

温度や湿度を一定に保って環境試験するなら恒温恒湿槽を活用しよう!

食品の環境試験や品質を保つために、一定の温度や湿度が必要なケースもあります。通常の冷暖房では部屋全体の温度や湿度を一定に保つのは難しいので、そのような環境を作り出すには恒温恒湿槽を用いるのが最適です。導入には億単位の費用が必要ですが、株式会社QMCなら数千万円で導入できます。恒温恒湿槽の施行を行っているので、導入をご検討の方はまずはご相談ください。

恒温恒湿の環境設備や空調などに関するお役立ち情報

恒温恒湿槽や恒温恒湿器について知りたい方は株式会社 QMCへ

会社名 株式会社 QMC
住所 〒425-0033 静岡県焼津市小川2712
TEL 054-292-4433(代)
FAX 054-668-9121
創業 平成20年7月30日
代表者 野田 浩一朗
資本金 300万円
製品 高精度恒温空調パッケージ・各種環境測定サービス・専用設計など
URL https://www.qm-consulting.biz/